店舗ビジネスの中でも、特に飲食店やリラクゼーション系のお店では、ブラックボードを使った看板を利用した集客方法が行われています。
ブラックボードを使った看板は手軽に利用できる方法ですが、お店を知らない通りすがりの人には効果が期待できないという面を持ち合わせています。
しかし、少し意識して改善するだけで、店舗の月商が数十万円変わるかもしれないのです。
そんな話を今回はお伝えしていきたいと思います。
目次
1: 店舗の売上は集客から
はじめに、店舗の売上はどのような構成によって成り立っているのか整理しておきましょう。
おそらくほとんどのお店では、次のような公式が成り立つと思います。
『売上 = 集客数 × 客単価』
非常に簡単な計算式です。この計算式によって売上をアップさせようとすると、次の3つの方法が考えられます。
(1)集客数をアップする
(2)客単価をアップする
(3)集客数と客単価を同時にアップする
一般的なコンサルタントさんの場合「3」を勧められる傾向にありますが、店舗ビジネスの場合「単価をアップする」というのは、かなりの覚悟と攻める気持ちが必要になります。
というのも、これは私も経験済みですが単価をアップすると、間違いなく客数が落ち込みます(来店されにくくなります)。また、1人当たりの注文数も減少するため、結果的に客単価が落ちることが多いです。
ですので、先ほどの1~3の中で、現実的な売上アップの方法と言えるのは「1」の集客数アップということになります。
2: 集客には3つのタイプがある
集客数アップが理想的なことがわかったところで、あなたはこんなことを頭の中で呟いておられるのではないでしょうか。
「そんなに簡単に集まらないよ」
確かにその通りかもしれません。これまでも集客活動を行ってきた経験から、その答えが出てきているだと思います。
しかし、ここで集客活動を一度振り返ってもらいたいのです。
集客活動を行う場合、これまでは次の3つの客層のどこを狙っていたでしょうか。
(1)リピート客
(2)目的来店客
(3)フリー客
おそらく「3」のフリー客を狙っていることが多いでしょう。
そのため、看板を作って表に置いたりしているお店があります。
でも、この看板が効果を出し切れていないため、フリー客の獲得が思うように進んでいないのではありませんか?
また、「2」の目的来店客を集めるために、看板を使っているところもあるでしょう。これ、看板の使い方を根本的に間違っています。
今の時代の目的来店客はネットで検索してから地図で場所を確認してやってきます。看板を頼りにやってくることはありません。ですから、目的来店客を集めるのなら、ネットの活用に力を入れるのが正解です。
3: お客を引き寄せて離さない看板作成3ステップ
あなたがフリー客を集まるために看板を利用しているのなら、いまからその看板を次の3つのステップと見比べてください。
看板からフリー客が集まっていないのであれば、3つのステップのどれかが欠落しているか、残念なことになっている可能性があります。
3.1: 誰に伝えるのか~ターゲット~
看板を誰に伝えるのか決まっていますか?
「より多くの人」に届けようとしても、結局は誰にも届きません。
会社帰りのOLさんなのか、男性会社員の集まりなのか。年齢層の高い方の集まりなのか。
地域性や商圏によってターゲットは変わります。
また、あなたのお店が提供している商品やサービスによっても変わってきます。
まず、多くの人に伝えることをやめましょう。そして、絞ったターゲットを決定するようにしてください。
3.2: 何に使いたいのか~シーン~
人は自分で考えてはくれません。
「このお店、2次会にピッタリだな」
「ここ女性だけでおしゃべりしやすそう」
「7名くらいでも入れそうかな」
こんなこと、お店の看板を見ただけで、あなたのように深くて考えてはくれません。
お店側から、どのようなシーンで使ってもらいたいのかを看板から伝えることが必要です。
・おつまみも充実!2次会にピッタリのお店です
・女子会にオススメ!ゆっくり個室で話せます!
・7名以上も大丈夫!みんな一緒に盛り上がれます!
ターゲットに合わせて、利用されるシーンを読み解き、お店が持つポテンシャルと魅力を看板からビビッと伝えてください。
3.3: 興味を引くことが重要~AIDMAの法則~
看板のメニューは、フリー客の目へ一番に飛び込む部分です。
ということは、ここで興味を引けないと後はありません。
ですから、看板メニューには、ターゲットが考えているシーンに合った
「おとり」
メニューを前面に打ち出すことが大切です。
で、ここで参考にしてもらいたいのが「AIDMAの法則」と呼ばれるもの。
A:Attention 注意
I:Interest 興味
D:Desire 欲求
M:Memory 記憶
A:Action 行動
※AIDMAについての詳しい内容は「集客して売るならAIDMAとAISASを知っておこう」に書いていますので参考にしてください。
この流れを考え、Attentionとなる「おとり」メニューを打ち出します。
その下に、Interest(興味を持ち)からDesire(欲しい)と感じるメニューを続けます。
例えば、お店がワインのおいしい女子会向けだったとしましょう。
この場合、おとりメニューには『ワイン390円』を打ち出すと、最高のAttentionになります。
そして、Interestには、ワインに合う「おつまみ」を写真付きで。
Desireには、ワインにぴったりな「お肉」や「お魚」を、これも写真付きで打ち出すことで、フリー客の足を止め、お店に入ってもらえる確立が高くなることでしょう。
また、看板のメニューは、大きくわかりやすく写真入りで出すのが理想です。
ごちゃごちゃしていたり、字が小さくて読みづらいものは、スルーされることが多いです。
4: 看板効果の高い店舗、そうでない店舗
この方法は、どのような店舗でも効果が出るものではありません。看板効果の高い店舗と、そうでない店舗があるんです。
というのも、おとりメニューを安くすると来店に促しやすいのですが、メイン商品の利益率が低いお店の場合、どこからも儲けが取れないことになります。
ですから、客単価がおおよそ3,000円~5,000円くらいのお店なら効果を感じられるでしょう。
反対に客単価が2,000円未満の場合には、一気にこういったことをすると危険です。利益が割らないような商品やサービスで、小さくテストを繰り返し、儲けが出るポイントを見つけることが先決です。
5: 看板以外に簡単に出来るWEBDMという方法
店舗ビジネスの場合、フリー客や目的来店客をリピート客へ持ち込むことが大切です。
でも、やっているところ、非常に少ないです。
手間がかかるとか、面倒だからとか、新規だけを獲得する方が楽だからとか、理由はいろいろあると思うんですが、リピートがあると来月の売上予測ができるので店舗運営にとっても良いと思います(私はここをオススメしています)。
だからといって、これからホームページを触ってメルマガ発行するとか、面倒だと思いますし、どれだけ効果があるのかわかんないものに時間とお金を使いたくないと思いますので、手っ取り早くできる方法をご紹介します。
おそらく店舗ビジネスをされている場合、何らかのポータルサイトに登録されていると思います。
代表例なら「ぐるなび」とかです。
こういったサイトでは「ダイレクトメッセージ」という機能がありまして、サイトのあなたのページに登録してもらうと、ダイレクトメッセージ機能でメールのようにメッセージを送信することができます。
閑散期に「2時間飲み放題」とか、週末に「希少価値の高いメニュー」などを紹介することで、リピートしてもらうきっかけを作れるため、苦戦していた集客の安定化を目指すことができます。
ぜひ、簡単に使える機能からファンやリピートを獲得してもらいたいと思います。
さいごに
集客における看板機能アップについてお伝えしました。
今回の中で出てきましたが、店舗のお客様には3つの層があることを知っておいていただきたいと思います。
それぞれの層によってアピールの方法や、興味を引くためのメニューが違ってきます。そこを間違えると、全然お客さんが集まってこないということにもなります。
今回の内容を参考にしていただき、お店の看板を改善してみてください。
単純計算ですが、
1日に3,000円の売上アップなら、1ヶ月で9万円アップです。
1日に10,000円の売上アップなら、1ヶ月で30万円アップです。
ちょっとしたことで変化を起こせます。やってみる価値、あると思います。
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