マーケティングを行う中で戦術があります。
これまでも、そしてこれからも様々な戦術が試され成功し、あるいは失敗することでしょう。
そんな移り変わりの激しい中でも「基本」と言えるものがあります。
新しい戦術を使うとき、新しい戦術へ応用するとき、まずは基本を知っていると思考を発展させやすくなります。
それでは基本と言える戦術を紹介していきます。
1: 広告塔戦術
テレビCMやラジオCM、電車ジャックした広告などです。
大手企業が有名人を起用することで自社のブランドイメージや商品のイメージを売り込む方法です。
メディアへの露出を計画的に増やし、あたかも流行っているような印象を与えることもあります。
また、話題性を作ることで興味を持たせ認知度を上げることもあります。
恐らく広告業というものが出来る前から誰かがやっていた戦術だと思いますが、ここまで古びているにも関わらず、今でも使われています。
正直なところ、CMや広告にインパクトはありません。
しかし、生活の中で当たり前に入り込んでいるので、何となく見ていることから商品やサービスが欲しくなることはあります。
2: ダイレクトメッセージ
一般的にこの戦術を使ったマーケティングを「ダイレクト・マーケティング」と呼びます。
消費者に対して直接アプローチし、そこからレスポンスを分析し、改善を繰り返して高精度のセールスを行う戦術です。
ネットが無かった時代では、ダイレクトメッセージはハガキや手紙でした。今はネットがありますから、メールやLINEに置き換わることで存続しています。
3: ステルス・マーケティング
マーケティングなので言葉としては戦略ですが、やっていることは戦術です。
あたかも宣伝や広告とわからないようにしながら、消費者へ売り込む方法です。
有名芸能人などを起用し、ブログやツイッターから「商品を使って良かった」というコメントを流すことで、消費者の興味や購買意欲を喚起します。
ステルス・マーケティング(一般的には「ステマ」と呼ばれていますが)そのものは違反行為の広告ではありません。
しかし、信じて購入した消費者にステマだとバレると「裏切られた」「騙された」という心情が芽生え、市場そのものから嫌われることにもなります。
視点によっては「ステマ = やらせ」とも見えますから、消費者が反発や嫌悪することも理解できます。
また、最近ではステマではありませんが、近い戦術として
- YouTuber
- キュレーター
- ブロガー
など、ファンを獲得している人に謝礼を支払うことで、商品やサービスを紹介してもらう広告戦術もあります。
4: ジャック型広告
どこを見ても、同じ広告がびっしり。
電車ジャック、渋谷ジャックという言葉最初に思いつく戦術です。
莫大な費用が必要となりますので、大手企業の広告や芸能人のプロモーション、商品イメージや知名度を一気にアップしたい資金豊富な会社が行う戦術です。
この方法、確かに話題にはなりますね。しかし話題にして楽しむ人が居るということは、アンチも当然存在するわけでして、一定数の消費者には嫌悪を抱かすことになります。
それでも、そのリスクを気にせず「絶対に勝てる」という確信があるからこそ実践できる方法だと言えます。
一般的な中小企業が手を出すものではありません。
5: 売り切れ戦術
「これで在庫はありません!」「今すぐご購入ください!」
というアレです。
本当に品薄になる商品もありますが、ほとんどの場合は「希少性」「限定性」を感じさせ「今すぐ購入」へ進ませるための戦術です。
または、需要がわかっていながら、わざと少なく生産することで「品薄」を強調し、次の販売へとつなげることもあります。
しかし、最近の消費者行動から見ると、品薄ならいらないという人も増えているため、ヘタにこの方法を使うと思惑通りに売れなかったということもあります。
6: 戦術は正しく使いましょう
消費者が広告に慣れてしまったこと、ウソを見抜いていることを知った上で戦術は正しく使わなくてはいけません。
セールスの現場から言うと、今回紹介しました戦術、または近い戦術を使うことが多いのはわかっています。
しかし、この中でも「ステマ」だけは、出来ればやめておきたいなと私は思います。
芸能人や有名人に「ステマ」させるのなら、どちらにしても広告出演料を払うのですから、正々堂々とした広告やCMを出す方が心象も良いはずです。
ステマで売れても、後からバレれば企業も起用した人もそこで終わりです。騙すことはいけませんね。
さいごに
マーケティングを行う中で用いる戦術についてご紹介しました。
これらの基本を理解した上で、新たな工夫や応用を行い、あなたのサービスや商品に合ったセールスプロモーションを組立て、その中の戦術として活用してください。
今回の話の中で大切なことは、
「セールス = 騙し」であってはいけないということです。
「セールス = よりよい未来を提案する」であるべきです。
ここを外れなければ、消費者へセールスしても嫌悪されることはないと私は思っています。
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