先日、2019年2月21日(木)の新聞に掲載されていた話です。
ネット販売(アフェリエイトやECサイトを含む)で熾烈な状況になっているダイエットサプリ。
この商品のインターネット広告で、テレビ画像などを無断で使用して販売していた会社の従業員が逮捕されました。
ネット広告でテレビ番組画像無断使用、2人逮捕
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190221-OYT1T50288/出典:読売新聞オンライン
約3年間で4億円を売り上げていたということですから、十分に自分たちも分かってやっていたということでしょう。
また、厚生労働省のマークも無断で使い
「厚生労働省の指定補助食品に選ばれている唯一のダイエットサプリ」
と嘘の記載もしていたということです。
これは完璧に自分たちのやっていることを理解している状態だと言えます。
さらに、自分たちのダイエットサプリを売り込むため、自作自演で「まとめサイト」「ブログ」を開設するという念の入れよう。
Webを使ったマーケティングのブラックゾーンを使いこなしている会社だったと言えます。
このような「芸能人」「有名モデル」などの画像を無断で使い、セリフやプロットを入れ、あたかも本人が認めているかのように見せる方法が、昨今急増しているという事実も興味深いところです。
逮捕された本人は、
「売上を伸ばすためにやった。誇大広告になると思ったが、ほかの業者もしているので犯罪になるとは思わなかった」
と供述しているらしいのですが、誇大広告と著作権違反は全く別の話ですし、他の業者もやっているというのなら、その業者の名前も公開してしまうことが必要だと思います。
そうしないと、これからも虚無広告、誇大広告に騙されて購入してしまう消費者が増えるだけ。
その結果、Webを使ったマーケティングを行っている人間や会社すべてが
「ネットを使っている = 怪しい = 信頼できない」
と思われるようになると、小さな会社や個人は大きな打撃を受けることになります。
本来、広告とは「消費者を騙す」ものではなく、消費者に明るい未来を届ける、知らせる、伝える手段なはず。
「とにかく今だけ儲かれば良い!」
という会社や個人が増えてしまったため、こういった状況が出来上がっているのだと感じます。
そこで、このコンテンツをお読みのあなたに質問します。
「あなたのサイトの広告や画像は大丈夫でしょうか?」
もし、担当者が悪気無くやってしまっているのなら、すぐに対処に改善することが必要です。
担当者が分かっていてやっているのなら、会社の体質そのものを変える取り組みが必要です。
経営者の方に多いのですが、自社のサイト(ホームページやブログ、SNSなど)を見ていない人がいらっしゃいます。
これ、任せていると言えば聞こえが良いですが、放置しているだけですと、今回お話しているようなことが起こる原因にもなります(すでに起こっている可能性もゼロではありません)。
担当者が「売上を上げないと」、こう考えた場合、手っ取り早く結果を出すために、やってはいけない境界線を簡単に飛び越えてしまうこともあります。
今回の事件から私たちが学べることは、経営者の方も自社のサイトは自分の目でチェックし、無断画像や虚無広告、誇大広告になっていないか確認することが必要だということです。
おそらく今回のような事象は永遠になくならないでしょう。
正直なところイタチごっこであることも分かっています。
仮に善悪の問題、著作権の問題から切り離して「広告」という部分だけで考えたとすると、有名人を使うことは間違いなく知名度も販売もアップします。
でも「無断で使う」というのは間違いです。使いたいのなら相応の費用を払うことが必要です。
消費者の信頼を得て、長く続く事業に育てたいのなら、こういった方法には手を染めないことが一番。
もっと取り締まりが厳しくなり、怪しげな広告は表示されない、Googleの検索結果に上がってこない、というような状態になってくれると良いなと思います。
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