この記事を書こうと思ったのは、偶然の出会いからです。
2018年11月の初旬、お客様のところへ打ち合わせに行くと、お客様が入居されているテナントビルが外壁塗装中でした。
テナントビルが建設されてから時間が経過していたため、修繕のための外壁塗装工事でした。
そこで、次のような出会いから、同じように感じておられる外壁塗装業の方へお伝えしようと思い、今回記事として公開することにしました。
目次
1: どうして書くことにしたのか
私がテナントビルへ入ろうと近づいたとき、塗装工事をされている方が電話されていました。
「はい。わかりました。明日ですね。伺います。」
電話を切ると小さな声で一言「下請け、辞めたいな」と呟かれました。この時、私はこの言葉を気にも止めずテナントへ入りました。
お客様のところで今後の販促方法やメディアサイトの構築についてなどを打ち合わせし、テナントを出ました。そうすると、また、先ほどの方が電話をしています。
「えっ、そ、それはちょっと・・・。はぁ、はぁ、わかりました。夜の9時頃に伺って見てみます。」
電話を切られた瞬間、「下請けって、辞めたいな」と呟かれました。
2度同じ呟きを聞いた瞬間、私は無意識に初対面の方へ質問してしまいました。
「下請け辞めたいんですか?だったら下請け辞めるためには、どうすればいいか知ってますか?」って。
そうすると相手の方はキョトンとした表情で「知ってますよ」と少し怒りを含んだ声の調子で答えました。
私は「一番に何をして、何が必要ですか?」と再び質問。
相手の方は、次のように答えました。
「それは決まってますわ。それは、ええっと、・・・・・・仕事を取ること。」
確かに間違ってはいない答えでしたが、下請けから脱却するためには仕事を取る前に、やっておくことがあります。
そこで私はB5サイズのノートをカバンから取り出し、下請けから脱却するためのポイントを書き、こう言って渡しました。
「私は外壁塗装業ではありません。しかしあなたと同じように下請けから脱却したいとおっしゃる方は他の業種にもいらっしゃいます。そういう方にアドバイスしたことと同じことがコレです。」
そして続けてこうも言って別れました。
「もしあなたが本気で下請けを辞めたいのなら、この紙に書いてあることを今日からやってみてください。」
それでは、このときに渡した紙の内容を次からあなたにもお伝えしていきます。
2: 下請けから脱却する方法
下請けから脱却しようと思うと、先ほどの話と同じように
「とにかく仕事を取る」
という風に考えてしまいがちです。
これは間違ってはいないのですが、この前に必要なことをやっておかないと、気がつくとまた下請けになっていることがあります。
というのも、とにかく仕事を取ることに集中すると、結局は金額に目がいってしまい、今の元請けと同じようなところから仕事を取ることになります。
これではいつまで経っても下請けから脱却することはできません。
では、最初に何を意識して行うのかというと
『自分の顧客を持つこと』
これが非常に大事です。元請けを持つのではなく、あなたが直接やりとりできる顧客を持つことが必要なのです。
3: 自分の顧客を持つ戦略
どうすれば自分の顧客を持つことができるでしょうか。
元請けのお客さんを横取りするのは、よろしくありません。
そこで下請け辞めたいとは言っても、ある程度は安定した収入先がある状態の時に、次のことをやっておきます。
3.1: とにかく自分を知ってもらう
いきなり仕事を取ろうとしてはいけません。
その前に、とにかくあなたを知ってもらう活動が必要です。
3.2: 信頼残高を増やす
知ってもらえたら、そこから信頼を積み重ねます。
相手との間に「信頼残高」を増やしていきます。
3.3: 集客商品を持つ
信頼残高を増やしながら、相手との話の中から
「住宅で修繕したいけれど、面倒で出来ない。」
そんなことを探し出します。
これは他業種の例を出すとわかりやすいでしょう。
例えば、街の電器屋さんだった場合。
いきなり冷蔵庫や洗濯機、大型テレビは売れません。
そこで「何とかしたいけれど、面倒で出来ない」ものを提供します。
電器屋さんの場合なら「換気扇の取り替え」なんてどうでしょう。
取り替え工事費を無料にして、とにかく一つあなたから購入してもらう。
換気扇は見た目にも違いがわかりやすいですし、取り替えるとき住宅の中へ入りますから、他にも提案できるものを発見することができます。
3.4: 収益商品を考える
人を集める商品を考えたら、その次に提案する「収益商品」を考えます。
悪い言い方をすると、集客商品は「エサ」、収益商品が本当に売りたい商品です。
ですので、集客商品で儲けを出そうとは考えず、収益商品で利益を出すように考えます。
4: あなたがやるべき最初の集客行動
自分の顧客を持つ戦略についてお伝えしました。
では、この戦略の中で最も大変なこと。自分を知ってもらうためには、どのような行動ができるのかを見ていきます。
4.1: ポスティングによるチラシ
まずは地域を絞って、チラシをポスティングします。
いきなり新聞折り込みはNGです。
小さくテストするのが鉄則です。
4.2: 新聞折り込みによるチラシ
ポスティングしたチラシから反応があったものを、今度は新聞折り込みへ使います。
4.3: フリーペーパー
新聞折り込みが費用的に難しい場合は、フリーペーパーに掲載します。
このときのポイントは、掲載しようと考えるフリーペーパーを過去6ヶ月分見て、同じ広告を出し続けているお店を調べます。
そして、そのお店の広告の書き方を参考にして、自分の広告文を作ります。
4.4: マッチングサイト
リフォーム業や外壁塗装業には、インターネット上にお客様とのマッチングサイトが存在します。
マッチングサイトから中間マージンを引かれますが、アピールするためには使えます。
4.5: ポータルサイト
今なら「エキテン」でしょうか。まずは登録しておきましょう。
5: レスポンスを分析する
こういった集客方法があります。すべてにおいて肝心なのは、一つひとつのチラシに、どういったレスポンス(反応)があったのかを計測することです。
勘ではいけません。レスポンスが高かったものは使えるもの。こちらがどれだけ良いと思ってもレスポンスが低いものは使えません。
しっかりと数字を分析することが重要です。
6: 最後は集客システムをホームページで作る
チラシやフリーペーパー、ポータルサイトなどを使いながら、最終的には自身のホームページを持ち、そこから集客できるようにするのが理想です。
だからと言って、ホームページを今すぐ作りスタートしても、いきなりお客さんが集まってくることはありません。
ホームページから集客するためには、最短でも3ヶ月、一般的には半年から1年という時間と労力、またはそれに見合う費用が必要となります。
ですから、下請け脱却を目指すなら、近くの地域からリアルに攻めていくのが理想ですので、
・チラシで覚えてもらい
・集客商品に興味を持ってもらい
・一度購入してもらう
ここを重視していってもらいたいです。
さいごに
今回お伝えしました下請け脱却の戦略ですが、この方法は他業種でもほとんど同じです。
違いはというと、チラシに書けること書けないことがある。
業種によってはチラシの配布地域を広げないといけない。
こういったところです。
本気で下請けから脱却したい方は、ぜひ今回の内容を参考にし、元請けにバレないように、ライバルにバレないように水面下で一歩ずつ戦いを進めてください。
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