集客は永遠の課題です。
誰もが出来ることなら自動化したいと考えています。そこで昨今は「MA(マーケティング・オートメーション)なるものが登場しています。
でも、完全自動化を目指す前に、集客もセールス活動も「ほぼ」やらなくて良い状態に近いマーケティングの第一歩を完成させなくてはなりません。
今回はそんなマーケティングの第一歩を作る14のステップについてご紹介します。
目次
1: 市場を見つける
まず最初にお伝えしておかなくてはなりません。
集客とマーケティングは違うとか、マーケティングの中に集客活動があるとか、そういう分析系コンサルタントさん大好き話題や、MBA的分析思考の話、専門家のウンチク話は登場しません。
もしそういった話を期待された方は、別のサイトへ飛ばれた方が賢明です。
というお断りをしたところで、早速スタートしていきます。
集客がうまくなる人のマーケティングには必ず「魚」が泳ぐ池や川を見つけることが重要です。
どれだけ時間と労力、お金を使ってあれこれやったとしても、そもそも「魚」がいないのなら何も釣れません。
また、どれだけ腕利きのプロ釣り師が最高級の竿やリール、仕掛けを投入しても釣れません。
もし、この状態でも入れ食いで釣れたというのなら、それはおそらく魚を購入した関係者がダイバーに依頼して、水の中から釣り針へ魚を引っかけたのだろうと思います。
ここでこのような例えを出したのは、市場を見つけずに魚釣りをスタートしてしまう方が多いからです。
安価な装備でテスト的に短期間だけ行うなら良いですが、本気で釣りに行くとなると、かなりのリスクを背負っています。
まずは、あなたのビジネスで提供する「エサ」を欲しがっている「魚」がいる場所を見つけましょう。
釣り人が何度もテストして釣れるポイントを探すように、小さく細かくテストを繰り返すことで、あなただけの釣れるポイントが見つかります。
2: ペルソナを決める
釣れるポイントが見つかると、何種類かの魚が釣れ始めます。
池なら、コイやフナ、モロコに雷魚など。あと、カメが釣れるかもしれません。
川なら、流れの速さや上流か下流かで釣れる魚が変わってきます。
海ならもっとバリエーションが豊かになります。
太平洋側なら、防波堤のテトラポットの間から、色鮮やかな熱帯魚が釣れることもあります。
遠投すると海の魚が釣れますし、岩場で釣るなら石鯛などが釣れる可能性も出てきます。
ということで、釣れるポイントから釣り上がった魚の中から、あなたが今回釣りをして利益を見込めるであろう「理想の相手」を決めましょう。
この「理想の相手」がマーケティング用語として登場する「ペルソナ」というものです。
ペルソナには、
・性別
・年齢
・年収
・家族構成
・職業
・趣味
・信じていること
・信じていないこと
・悩みや不安
・手に入れたい未来
などなど、個人として区別できる要素を、釣り上がった魚の中から抽出して決めていきます。
そうすると、非常に具体的な人物像が完成し、あなたの目の前に座り、少し微笑みながらこちらにまっすぐ視線をむけているところを想像できるでしょう。
当然ですが、このような状態をあなたの思考で作り出すためには、ペルソナに
・名前
・顔
・ファッション
を取り入れなくてはなりません。

こんな風にペルソナのシートを作ってみよう!
そうすることで、より一層具体的な理想像が完成し、この後に行うステップがスムーズに進みやすくなります。
反対に、ペルソナが曖昧ですと、
・フナを釣りたいのにゴカイをエサにする
・熱帯魚を釣りたいのに大きな針のルアーを使う
・コイを釣りたいのに真っ昼間の水温が高い時間に挑戦する
こういった見当外れなことに疑いを持たず、いつまでもやり続けてしまいます。
これは、うまく釣る人から見ると「あいつ残念だよね」という状態です。このようにはなりたくないものです。
3: ギャップを感じる
ペルソナが決まりますと、あなたはペルソナになりきらなくてはいけません。
「私は(ペルソナの要素)だ。」
この一言で変身してください。そしてこの瞬間から見るもの、聞くもの、考えることをペルソナに変化させてください。
ここまで出来れば、ペルソナが最も
・悩んでいること
・不安に思っていること
・フラストレーションになっていること
こういったことを感じとれるようになります。
そして、ペルソナの現状と成りたい未来、その間に横たわっている「悩み」「不安」「フラストレーション」というギャップを思い描いてください。
このギャップが大きいほど、ペルソナは「解決したい」欲望が強くなっています。
現状はどうなっていて、どうなりたいのか。
どうして理想の状態になれていないのか。
なにが邪魔しているのか。
感情面から感じて導き出してください。
4: 解決策を生み出す
現状、理想、ギャップ。
これらが分かったなら、あなたのビジネスでペルソナのギャップを埋められる商品やサービスは何かを考えましょう。
「○○という商品を買えば、一瞬でギャップが埋まり理想の状態に近づける。」
こういったものがあるなら最高です。でも、ここまでのものはない、ということなら、
理想の半分、理想の1/3だけでもギャップを埋められるものはないか考えましょう。
そして、ギャップを埋める解決策が出てきたなら、その商品やサービスの中から
・すぐに効果が実感できる部分
・手軽に試せる部分
・安価で提供できる部分
を抜き出し、集客するためだけの商品(集客商品)として準備します。
5: ベネフィットに変換する
集客商品の特徴を羅列します。これは簡単にできます。
特徴が羅列できたら、ペルソナが集客商品を使うシーンをイメージしてください。
商品やサービスには必ず利用する目的やシーンが存在します。
例えば、女性のネイルなら、
・披露宴に参加する
・同窓会へ参加する
・忙しかった仕事が一段落したので自分へのご褒美
こういった目的や参加するシーンが存在します。人は何かの目的や手に入れたいこと、その先にある感情を揺さぶるであろうイメージが無いと、痛みを伴ってまでお金を使いたいとは考えません。同時に、痛みを伴うために行動を起こすことはありません。
目的やシーンを連想してください。そして、連想した状態で集客商品はペルソナをどのような気分へ変化させるかを突き止めてください。
6: メッセージを作る
ペルソナへ伝えるメッセージを作ります。
ギャップ、解決策、ベネフィットを組み合わせることで、ペルソナの心を揺さぶるメッセージを作ります。
この場合のメッセージとは、あなたがペルソナに「どのような行動」をしてもらいたいのかで種類が変わってきます。
セールスしたいのなら、セールスレターと呼ばれる「売るための手紙」を作成します。
セールスではなく、とにかく電話かFAXで問い合わせしてもらいたいのなら「役立つ情報」を作成します。(建築業界に多い小冊子や、保険業界に多い保険アドバイス資料です。)
セールスでも問い合わせでもなく、関係性を作りたい、絆を深めたいのなら「ニュースレター」「メールマガジン」用の話題を作成します。
あなたがペルソナにしてもらいたい行動に合ったメッセージを作りましょう。
7: 最適な媒体で伝える
メッセージが完成すると、ペルソナへ届けて伝えなくては意味がありません。メッセージを大事に自分の机の引き出しへ入れたままでは、なにも変化はおきません。
メッセージをペルソナに届け伝えるとき、注意してもらいたいのが、ペルソナが使っている媒体で伝えるということです。
例えばこういうことです。
・老眼の進んだ70代の人へ伝えるのなら、文字を大きくした紙媒体
・27歳の女子なら、印象的な画像を使った情報をスマホで見られるように
・50代の会社員男性なら、ビジネス関係の雑誌を経由する
ペルソナが違うということは、メッセージが届く経路も変わってくるということです。
いくら市場があり、ペルソナが決まり、ギャップを埋め、最適なメッセージを作ったとしても、最適な媒体を通して届かなければ何もしなかったのと同じなのです。
8: 反応を見る
メッセージが届いているのなら、何らかの反応があります。
この場合の反応とは、購入した、問い合わせがあった、ということだけではなく、何の反応も無かったというのも「反応」です。これはメッセージが届いた人たちが「無視する」という行動を取った結果だからです。
このように、どのような場合でも反応はあります。そして反応によって私たちは次の方法を考えます。
売れたのなら、もう一度やってみても良いでしょう。
少しペルソナをズラせてテストするのもおすすめです。
反応が無かったのなら、ペルソナが間違っているのか検証することができます。
メッセージを伝えた媒体が間違っていたのか検証することもできます。
とにかく反応を検証し、小さく修正してテストを繰り返します。そしてあなたが考えていた反応が得られるポイントを見つけます。
9: 個人情報を頂戴する
うれしい反応があった場合には、遠慮せずに反応した人の個人情報を頂戴しましょう。
個人情報は
・メールアドレス
・住所
・名前
こういったものが理想的です。特に直接メッセージを送ることができる、メールアドレスや住所、最近ならLINEのIDは必須です。
10: 繰り返しコミュニケーションする
頂戴した個人情報を元に、繰り返しコミュニケーションを続けてください。
いきなりセールスに結びつかなくても構いません。何度もコミュニケーションを続けることで、相手が買いたい、相談したいというタイミングがやってきます。
相手のタイミングを、こちらでコントロールすることはできません。
ただ、相手とのタイミングが合ったとき、こちらはいつでも対応できるように準備万端にしておくことが必要です。
11: 収益商品をセールスする
集客商品を購入された方へは、小さな階段を昇ってもらい、収益商品を購入してもらいましょう。
最初は小さな額の収益商品で信頼を勝ち取ってください。ここではお金を払うだけの価値と信頼があなたにあることを知ってもらうのが重要です。
12: 繰り返し購入してもらう
収益商品を何度も購入してもらいましょう。
そのためには、日頃は信頼残高を増やす行動が必要です。役立つ情報を提供しても良いでしょう。新製品のレビューをしてお届けすると喜ばれるかもしれません。
繰り返し購入してもらうための仕組みを作り上げます。
13: VIP顧客へ育てる
10回以上、または、高額な収益商品を購入してくださった方は、VIP顧客への階段を昇っておられます。
この場合、あなたに知っておいてもらいたいことは、VIP顧客へ歩まれている方には「依怙贔屓」する必要があります。
人は特別扱いされることが大好きです。大切にされることが大好きです。
であるなら、VIP顧客として育ちつつある方、VIP顧客に育たれた方へは、特別扱いをするべきです。
何も新規のお客様を無視しろとか、適当に扱えと言っているのではありません。
アパレル業なら、VIPの方が来店されるときには、前もってご連絡をいただきお店を貸し切りにするということもできるでしょう。
美容院なら、VIPの方のお誕生日に一人では使いきれないくらいの量のトリートメントをプレゼントするということもできるでしょう。
VIPには特別扱いをしましょう。
新規顧客だけが使える割引特価ばかりでは、VIPが存在する理由がありません。
14: 広告塔になってもらう
VIP顧客に育ってもらうと、VIP達は自分が通っているお店の自慢がしたくなります。
この心理を知ってください。人は多くの場合、小さなことでも自慢したいのです。ですから、自慢がしやすいように、話のネタを提供してあげてください。
先ほどの大量のプレゼントでも良いでしょう。一人では使いきれない量なら、友人に「こんなにたくさんもらったからあげる」という行動に出るはずです。
そのとき、自慢できるように理由をネタとして伝えておきましょう。
放っておいても口コミや広告塔にはなってもらえません。こちらから友人達に話しやすい話題を提供してあげることが重要です。
さいごに
「集客がうまくいく人になるマーケティングの14ステップ」をご紹介しました。
今回ご紹介しました14のステップが人力であれ、ITを使ったシステムであれ、少しずつ実現できていくと、近い将来完全な自動化「MA」にすることも夢ではありません。
MAが良いのかどうなのかはさておき、出来るだけ自動的に集客がうまくいく仕組み(マーケティング)を作ることは、ビジネスを行う人間として必ず必要なことだと思います。
今回の内容が、あなたの集客活動の参考になれば幸いです。
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