オウンドメディアを立ち上げて半年~1年。
最初に思い描いていた成果が感じられないとお悩みの方へ。
今のうちにこれからお話する10ステップを確認して、うまく機能していない部分を改善していきましょう。
そうすることで、自分自身でオウンドメディアを構築し運営した経験のない、口だけ理論だけのコンサルタントやSEO対策会社との付き合いが必要なくなります。
1: オウンドメディア集客のゴールとは
最初にあなたへ確認しておかなければいけないことがあります。
それは、あなたにとってオウンドメディアのゴールとはどのようなものなのかということです。
オウンドメディアとは名前の通り「オウンド=自分」「メディア=情報を発信する媒体」でありますから、
・お金を払って広告を出す「ペイドメディア」
・タイミングが不確定な口コミやバズを目指す「アーンドメディア」
とは違い、自分自身でコントロールできる広告媒体だと言えます。
ここで注目するキーワードは「広告媒体」という部分です。オウンドメディアは「役立つ情報を提供する」と表現されますが、提供する本当の意味は
・認知度アップ
・新規顧客獲得
・信頼残高貯蓄
という「広告活動」の一環です。
これは同じ広告活動の中でも、傷害保険や火災保険のような掛け捨て型であるペイドメディアやアーンドメディアとは違い、オウンドメディアは情報資産を貯蓄する「終身型保険」に近い活動と言えます。
このような特徴を持つオウンドメディアですが、あなたのゴールはどのようなものでしょうか。
もし、オウンドメディアから直接販売をゴールとしておられるのなら、それは少しゴールが逸れている可能性があります。
オウンドメディアで直接販売できない訳ではありませんが、広告活動の中にセールスが入っていると、これはもう「役立つ情報」ではなく「通販サイト」になってしまいます。
しかし先ほども少し触れましたが、オウンドメディアの本来の目的とは、セールスでもっとも難しい、はじめて客に興味を持たせ集めること。
すなわちセールスを楽にする前準備がオウンドメディアの「ゴール」となり得るのです。
オウンドメディアから思っているような集客が出来ない場合、まずはオウンドメディアが本来担う役割をもう一度しっかり見直してください。
オウンドメディアでありながら、
・強いセールスが続いている
・あちこちのネット広告が出ている
・肝心な部分は見せていない
こういう作りになってしまっているのなら、
・認知度アップ
・新規顧客獲得
・信頼残高貯蓄
へと流れを変えることが必要です。
2: ゴールに到達できない5つの理由
オウンドメディアを広告媒体として位置づけ、セールスもそんなに強くやっていないのにゴールへ到達できそうに感じられない。
そんな場合には、次の5つの理由が考えられます。
2.1: 人と時間のリソースが必要
オウンドメディアに関わる「人」「時間」は確保出来ているでしょうか。
「誰かがやってくれているだろう」と、自分事ではなくなっていませんか。
オウンドメディアで成果を出すためには「人」「時間」両方のリソースを確保する必要があります。
これが社員100人以上の会社なら人事部の一言で対応できますが、そうでない会社では「兼務」ということになり、本来の仕事とオウンドメディアの2つにリソースを分けることになりがちです。
もう一度、人と時間のリソースを見直しましょう。どうしても無理そうなら外部へ委託するという方法を検討してください。
2.2: コンテンツが作れない
リソースに関係する部分もあります。
オウンドメディアで成果が感じられない原因に多いのが、コンテンツを作れないという悩みです。
・作れる人がいない
・作る時間がない
・作るネタがない
などなど、理由は様々ですが解決策はあります。
・コンテンツの作り方講座(ライティング講座)へ参加する
・朝2時間早起きをしてコンテンツを作る時間に充てる
・仕事の中で質問されたことをメモしておく
コンテンツが作れない根本的な原因は、実はスキルやテクニックではなく
「作らないといけない理由がない。」
コンテンツを作れない場合には「どうして作らなければいけないのか」をもう一度考えてみてください。
もし「作らないといけない燃えるような想い」が無いのなら、オウンドメディアで集客するよりも、ペイドメディアで集客する方がぴったりということもあります。
流行っているからと言って、オウンドメディアが絶対に必要だということはありません。
2.3: すぐ成果がでない
「すぐ成果が出ないんです」とおっしゃる方に多いのが、オウンドメディアをスタートして2~3ヶ月しか経過していないというパターン。
私のような物書きを生業としている人間なら、1日1本のコンテンツを作ることができますので、3ヶ月で90本という量のコンテンツが完成します。
しかし、物書きを生業とされていなくて、普段のお仕事も忙しい方なら、1週間に1本作れれば素晴らしい成果だと私は思います。
で、1週間に1本のコンテンツを作るとすると、3ヶ月で何コンテンツが完成するのか。ここは簡単な計算です。
3ヶ月 × 4本/月 = 12本
最近では最低でも30本、一般的には100本が第一段階の目標と言われているのを考えると、圧倒的に「量」が不足していることになります。
半年~1年は見守りながら継続できる「余裕」がオウンドメディアの成功には必要です。
「今すぐ何とかしたい!」という方に、オウンドメディアは合っていません。オウンドメディアは未来の集客に対する投資だと考えてください。
2.4: 継続できない
オウンドメディアの特徴として、継続した情報発信が大切です。
しかし、人間は同じテンションで継続することが苦手です。
ビジネスを持っている経営者なら、まだ自分事なので継続できる可能性もありますが、スタッフさんの場合は相応の報酬が具体的に見えていないと難しいところです。
この場合に可能な解決策としては
・経営者自らがガンバル
・スタッフさんの報酬を増やす
・外部のライターを専属契約で囲い込む
こういった方法が現実的です。
特に「外部のライター」を囲い込む場合には、あなたのビジネスに精通し興味を持つ人でないといけません。でも、こういったライターさんを簡単に見つけることは大変難しいものです。
見つけられた場合には、すぐに契約しておきましょう。まごまごしていると、そういう方は他の同業者さんからも引き合いがありますから、一緒に仕事をすることができない可能性が高いです。
2.5: パクられやすい
インターネット上に存在する「デジタル」なものは、どんなものでも簡単にパクられます。
それは
・画像
・文章
・アプリケーション
・映画
・コミック
どんなものでも「デジタル」となった瞬間、腕に覚えのある人なら、誰もが簡単にパクれます。
当然ですが、オウンドメディアもパクられます。
特に良いコンテンツであればあるほどパクられます。
また、パクり方も巧妙になってきているので、判断するのが難しくなっています。
もし、こういった被害に遭っている場合は弁護士さんに相談し、相手の証拠を押さえるところから教えてもらいましょう。
3: ゴールへ到達するための10ステップ
それではゴールへ到達する10のステップをご紹介します。
あなたのオウンドメディアの状態と比較チェックしながら読み進めてください。
3.1: 社内の役割を決める
オウンドメディアを「誰がやるのか」、社内の役割を明確にしておきましょう。
これはオウンドメディアの成果に対する責任を持つ役割ではなく、滞りなく継続するための役割を「誰がやるのか」ということです。
オウンドメディアの成果に対する責任所在は「経営者」ですから、そこを他の誰かに持たせることは間違っています。
あくまでも「継続するため」の運営を誰がするのか。非常に大事ですので最初に決めておきましょう。
3.2: コンセプトや勝てるテーマを決める
オウンドメディアにはコンセプトやテーマがあると思います。
もし、コンセプトやテーマが曖昧なまま、または特に決めずに走っているのなら、今のうちに決めておいてください。
そうしないと、競合に対して勝てるのか、そうでないのかがわかりません。
コンセプトやテーマが決まっているなら、それは競合に勝てることなのかどうかをもう一度考えてみてください。
3.3: 使えるリソースを洗い出す
オウンドメディアを運営する場合には、常に3つのリソースを洗い出しましょう。
人、時間、お金、どれが有り、どれが無いのか。
お金は無いけれど、人と時間があるなら、自社内でコンテンツが作れます。
お金はあるけれど、忙しくて人と時間が足りないのなら、コンテンツの外注や人を雇うことで解決できます。
オウンドメディアはペイドメディアのように「広告費」として計上するお金は必要ありませんが、広告費に代わるリソースを必要とします。
3.4: 外部への依頼も検討する
何度か出てきています。オウンドメディアは人的リソースと時間的リソースを確保できないと、ゴールへ到達する運営はできません。
そこで外部への依頼を検討しましょう。
・SEOが理解できて
・マーケティングを知っていて
・コンテンツを作れて
・IT関係にも精通している
そんな人へ依頼しましょう。
昔とは違い最近なら、
・派遣会社
・副業斡旋サイト
・クラウドソーシング
・私のような個人事業主
というように、探して選べる環境が整っています。けっして無理なことではありません。
3.5: テーマに合うキーワードを見つける
オウンドメディアのテーマに合ったキーワードを使っているかチェックしておきましょう。
そして、チェックするときには、そのキーワードが月間平均どれくらい検索されているのか(これを検索ボリュームと呼びます)を確かめてください。
ニッチなキーワードで検索ボリュームが非常に少ない中からも、オウンドメディアへ訪問する人が獲得出来ているのなら構いませんが、ほとんどの場合、検索ボリュームが少ないと訪問者も少ないままです。
3.6: キーワードから心理を読み解く
選んだキーワードから検索した人の心理を読み解きましょう。
どういう気持ちでキーワードを入力し、どのような答えがほしいのかを読み解く必要があります。
例えば、
「掛け時計 賃貸 フック」
という検索キーワードの場合、検索者はどのような心理なのかというと
・掛け時計を掛けたいからフックを探している
・でも賃貸なので壁に穴を空けたくない
この悩みに対する答えがコンテンツには必要です。
間違っても
・掛け時計の歴史
・賃貸における壁の修繕費の相場
・フックの形状と特徴
こんな情報が詰まったコンテンツではありません。
あなたが届けたいことではなく、検索者が知りたいことをキーワードから読み解いてください。
3.7: お客様の「ほしい」瞬間を知る
オウンドメディアへ訪問したお客様は「何かをほしい」から検索しています。
だからと言って、最初からモーレツにセールスするのかというと、この行動は良い効果を読み出しません。
確かにお客様は「ほしい」のですが、押し売りはされたくないのです。
そこで、あなたのオウンドメディアへ訪問する理想のお客様が、どのように育っていくのかを年表形式で作成し情報を共有しましょう。
・検索してコンテンツを見る
・1週間に何度か繰り返しサイトへ訪問する
・そうすると特定のコンテンツへ進む
・進んだコンテンツから問い合わせしてもらう
・メールでのやりとりが続いてセールスへ進む
簡単に流れを考えると、こんな感じでしょう。この大枠をベースに、あなたのビジネス特有の行動や提案、提供できるものを追加して年表を作ってください。
3.8: お客様のタイミングに合わせたコンテンツを作る
年表が出来上げると、お客様の育ち方に合わせたコンテンツを作るように心掛けてください。
いつまでも初心者向けコンテンツばかりでは、育った方へは役立ちません。
個別にメールなどでお渡しするのでも良いですし、初心者向けコンテンツと並べて公開しても構いません。
お客様のタイミングに合わせたコンテンツを作ることも頭に入れておいてください。
3.9: 半年~1年は継続する
私も自分で運用したことがあるのでわかっていますが、半年~1年継続することは大変です。
ただ、最初の半年はとにかくガンバッテ「質と量」の両立をしてもらいたいです。
残りの半年からはペースを落としながら「質」へフォーカスして継続してもらいたいです。
2~3ヶ月で止めるのはもったいないです。計画は1年単位で組み立ててください。
3.10: 分析と改善を繰り返す
オウンドメディアはデジタル世界の産物です。
ということは、アナログとは違い、簡単に結果を数字で分析することができます。
王道の分析ツールとしては
・Googleアナリティクス

Googleマーケティングプラットフォームの中に、アナリティクスがあります。
・Googleサーチコンソール

Google Search Consoleは訪問者の特性が分かる
まずはこの2つを活用し、どれくらいの訪問者が居るのか。
どれくらい見られているのか、どういったコンテンツは人気があるのか。
また、どういった地域から見られているのかもわかりますので、オウンドメディアだけではなく、リアルなセールスにも役立ちます。
そして、あなたのオウンドメディアがターゲットとしている人たちが、どのような悩みを持ってキーワードを入力しているのかもわかります。
これは「サーチコンソール」の機能でわかりますので、オウンドメディアを制作された会社があるのなら教えてもらってください。
こういった情報を比較的簡単に、しかも無料で手に入れることができますので、ピンポイントで改善計画を作り実行することができます。
この繰り返しを続けることこそ、オウンドメディアを巨大で強力なメディアサイトへ育てるポイントとなります。
4: 最初の壁を乗り越える方法
とは言え、やはり最初の3ヶ月~半年の壁を乗り越えるのは大変です。
そこで私の経験からお話しますと、最初の半年だけはペイドメディア(有料広告)からの訪問者獲得と、検索からの訪問者獲得の併用がおすすめです。
早い時期から訪問者の反応を見ることができれば、それだけ高速で改善し、よりよいメディアサイトへ成長させることができます。
また、心理的な部分ですが「誰かに見てもらえている」という事実はモチベーションをキープするのに役立ちます。
モチベーションをキープできると継続する気持ちも出てきますから、オウンドメディアでもっとも難しい継続の壁を乗り越えることができます。
さいごに
悩みの多い「オウンドメディアで集客する方法」をお届けしました。
オウンドメディアは話だけ聞くと、公開すればスグ簡単に人が集まるように表現されることもありますが、そんなことはほとんどありません。
実際には今回お伝えしましたようなポイントをチェックし改善することが必要です。
そのためには繰り返しになりますが「人、時間、お金」。
3つのリソースを常に洗い出し、どこにどれだけ使えるのかを把握しながら、コツコツと継続してもらうことがメディアサイトを育てるコツです。
あなたのオウンドメディアが、これまで以上にうまく回り出すことを願っています。
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