中小企業でオウンドメディアをスタートするためには、大手企業よりも頭脳を使いながら進めていかなくてはいけません。
私たちは大手企業のように
・多くの人材
・多くの時間
・多くの費用
を活用し人海戦術で「なんとか」することはできませんから、これからお伝えするポイントを一つひとつ実践していただきたいと思います。
1: 中小企業でオウンドメディアをスタートすると良いこと
はじめに、中小企業がオウンドメディアをスタートすると良いことについてお伝えしておきます。
1.1: 見込み客の入り口が増える
新規顧客を獲得するためには、
・まだまだ客
・これから客
2つを合わせた「見込み客」を獲得しなければなりません。
しかしこれまでの集客方法なら、見込み客を獲得する入り口は多くても
・口コミ
・お友達紹介
・新聞の折り込みチラシ
・地域の情報誌への露出
・ポスティング
・看板
これくらいではないでしょうか。
しかし、オウンドメディアをスタートすると、メディアサイトで公開しているコンテンツの数の分が入り口になります。
50コンテンツ(記事)あれば、50個の入り口。
100コンテンツあれば、100個の入り口。
増えれば増えるほど見込み客の入り口が増加し、同時に見られることも増えるため認知度も上がっていきます。
1.2: 信頼残高が貯まり続ける
コンテンツが増えることで専門家としてのポジションが出来上がります。
そして、役に立つコンテンツを提供することで、見込み客との間に信頼残高が貯蓄されていきます。
信頼残高は見込み客が購入を考えたとき、どこを選ぶのかの指針になります。
信頼を獲得できることもオウンドメディアの良いところです。
1.3: コミュニケーションが取りやすい
この場合のコミュニケーションとは、対面で何かをするということだけではありません。
私たちが提供したコンテンツを読んでもらうこと。
コンテンツを見てもらうことも含めて「コミュニケーション」なのです。
100のコンテンツを見てもらった人とは、100回コミュニケーションを繰り返したことになります。
50のコンテンツを見てくれた人とは、50回のコミュニケーションを繰り返したことになります。
経験からもご存じの通り、人はコミュニケーションの回数が多いほど「近い関係性」だと認識します。
そして、人は近い人を信頼し、近い人からものを買うものです。
1.4: 情報資産は無くならない
広告は掛け捨ての損害保険のような存在です。
いくら広告から集客出来ていたとしても、広告を止めるとそこで集客も止まります。
しかし、オウンドメディアで公開しているコンテンツは一度作れば、広告のように費用や期限の制限によって途中で止める必要はありません。
あなたのオウンドメディアが存在し続ける限り、いつまでも見込み客を集め、コミュニケーションを繰り返してくれる凄腕のスタッフになってくれます。
1.5: 思いも寄らない依頼がやってくる
オウンドメディアをやっていると、思いも寄らないところから仕事の依頼がやってくることがあります。
人によってマチマチですが、
・地方新聞社から地域版の特集取材の依頼があった
・雑誌の特集への記事依頼があった
そして、これは私のケースですが、出版社から書籍の執筆依頼がありました。
ボーナスのようなものですが、オウンドメディアをやっていないと出会えなかった依頼ですから、これもやっていて良かったと思えるメリットと言えるでしょう。
2: オウンドメディアがスタートすると中小企業で辛いこと
次は、オウンドメディアをスタートすると、中小企業では「辛いな」と感じることをお伝えします。
2.1: 時間がかかる
オウンドメディアを一瞬で完成させることはできません。
確かにM&Aで「メディアサイトを買う」という手法もありますが、自分たちでオウンドメディアを作るのなら、とにかく時間が必要となります。
最短でも反応を感じるまでに半年。
そして、反応を感じるために必要なコンテンツを最低でも100記事作成。
時間がかかります。
2.2: コンテンツが作れない
内容のあるコンテンツを作ることは、思っているよりも大変です。
文章を書く仕事の私で、1日に2つくらい作れれば良いところです。
お仕事をしながら、慣れない文章作成をするなら、1週間に2つ作れれば最高です。
で、ここで思い出してください。反応が出るまでに100記事必要だとすると、1週間に2つ作るとしたら、
100記事 ÷ 2記事/週 = 50週
50週 ÷ 4週/月 = 約1年
このような現実的な数字を理解した上で、
・どのようなことを
・誰が
・いつまでに
コンテンツとして作るのか、しっかりと計画しスケジューリングしておいてください。
2.3: 画像も手間です
コンテンツにはアイキャッチと呼ばれるファーストインパクトを与える画像が必要となります。
で、この画像ですが以下のような著作権フリーのものを使うこともできます。
・ぱくたそ
・PhotoAC
・pixabay
・いらすとや
しかし、他との差別化を行うのなら、有料画像や自社で撮影したオリジナルの画像が必要です。
文章や動画だけではなく画像も一手間必要となります。
2.4: コンテンツを外注する
コンテンツを外注すると、文章を書くことから解放されます。
しかし、解放された時間に見合った費用が発生します。
質の高いコンテンツを書くライターさんは、それだけ調査やライティングに時間を使っていますので費用が高くなります。
量だけを求めた質の低いコンテンツなら費用も下がります。
「時は金成り」です。
3: 無理なくスタートする方法
オウンドメディアをスタートすることで良いことと、辛いことをお伝えしました。
もしあなたが辛いことも理解した上でやってみよう!
そんな風に思っておられるのなら、次からのステップをお読みください。
あなたのオウンドメディアを無理なくスタートする方法が学べます。
3.1: 何が提供できるのかを考える
オウンドメディアをスタートする前に、オウンドメディアを通して
「何が提供できるのか」
考えてみてください。
・どのような情報を提供できるのか
・どのような体験談を提供できるのか
・どのようなHowtoを提供できるのか
適当に知っていることをランダムに公開していては、喜ばれる「メディア」には育ちません。
3.2: 誰に提供できるのかを考える
誰に提供できるのかを考えましょう。
・年齢
・性別
・世帯収入
・家族構成
・ライフスタイル
10代の女子向けと、28歳の女性向けでは提供する内容が変わります。
ひとつ前で「何を提供できるのか」を考えているはずですから、必然的に「誰に提供できるのか」も見えてくるはずです。
もし「誰に提供できるのか」が決まらない場合は、ひとつ前の「何を提供できるのか」について、もう一度ゆっくり考え直してみてください。
3.3: 共感を生み出す部分を見つける
あなたがオウンドメディアで提供する情報のどこに「共感」を生み出せるでしょうか。
・そうそう
・ホントそのとおり
・いつもそう思っていた
あなたの価値観と見ている人の価値観が共鳴する部分を見つけましょう。
これは一見すると難しそうですが、既存のお客様に「どうしていつも自分のところを選んでくれるのですか?」と訪ねると簡単にわかります。
3.4: メディアサイト全体のコンセプトを決める
ここまでの内容が揃ったら、オウンドメディアのサイト全体のコンセプトを決めましょう。
コンセプトを決めなくてもオウンドメディアをスタートすることは可能なのですが、コンセプトが決まらずにスタートするとメディアサイトとして一貫性のないものが完成することがあります。
そうすると、どこかちぐはぐなサイトの印象をまとってしまい、信頼感や専門家としての印象が薄くなってしまいます。
こうなるとメディアサイトではなく、雑多なことを書いている日記ブログになってしまいます。
3.5: 目標を明確にする
オウンドメディアをスタートする目標を明確にしましょう。
・認知度アップ
・とにかくPVアップ
・問い合わせが目標
・ECサイトへの誘導が目標
どのようなことでもかまいません。あなたのビジネスにとってプラスになることを目標にしましょう。
オウンドメディアは目標を明確にしなくても運用できます。
しかし、そのような状態で進めると、人間とは不思議なもので「PV数」に捕らわれ始めます。
目標がPV数なら良いのですが、他の目標があるにも関わらず「PV数」を目標のように感じて運用し続けても、考えている成果を出すことはできません。
3.6: 悩みを表す検索キーワードを見つける
オウンドメディアのコンテンツ作成に欠かせないのが「キーワード」です。
自然検索でヒットし、そこからオウンドメディアへ訪問してもらう必要がありますから、まずは検索で使われているキーワードを見つけることが先決です。
キーワードの選び方については
こちらのコンテンツで説明していますので参考にしてください。
キーワードを見つけたら、そこから検索している人の悩みや不安を掘り起こしていきます。
3.7: コンテンツを作成する
「何が提供できるのか」「誰に提供できるのか」「コンセプト」「キーワード」が揃うと、いよいよコンテンツを作成します。
コンテンツの作成方法については
『セールスライター京都日々新Webライティングセミナー【お家で無料レッスン版】』
『Webの記事ライティング【初心者向け】書き方の教科書』
『webライティングで集客がうまくなる書き方』
これらのコンテンツで学べます。ぜひ参考にしてください。
3.8: SEO対策を行う
コンテンツを作成したら、忘れずにSEO対策を行います。
とは言っても、そんなに難しいことではなく、選んだキーワードが
・コンテンツのタイトルに含まれているか
・コンテンツの概要説明に含まれているか
この2つを確認しておきましょう。
SEO対策についてのレポートを用意していますので、こちらも参考にしてください。
3.9: 半年はコツコツと継続してコンテンツを作り続ける
運命の分かれ道である「コツコツ継続」です。
まずは半年、脇目もふらずに、反応のあるなしは無視して、コンテンツを作り続けましょう。
多くの方がここで継続できないまま頓挫し、オウンドメディアを放棄することになります。
ということは、ここさえ乗り越えられれば、簡単にライバルを引き離すことができるということです。
3.10: コンテンツの質と量のバランスを取る
コンテンツは質と量、両方のバランスが必要です。
質ばかり追いかけても、数が少ないと評価されません。
数ばかり増やしても、質が低くては評価されません。
最初の100記事は「質」重視で進めましょう。
4: 頓挫しないモチベーションを保つ方法
そうは言っても、反応がないと頓挫してしまいます。
そこで頓挫しないためのモチベーションを保つ方法についてお伝えしてきます。
4.1: 競合の少ないキーワードでコンテンツを作る
そうすると、簡単に検索で1位になれます。
これでモチベーションをキープできます。
4.2: 知り合いに読んでもらう
自然検索から人がやってこない期間、知り合いにメールを送って読んでもらいましょう。
誰かが読んでいることがわかるだけでも、モチベーションを保てます。
4.3: 広告を出しましょう
自然検索から人がやってくるまでの期間、インターネットで広告を出して、そこからオウンドメディアの内容を見てもらいましょう。
この方法は、モチベーションをキープするためにも有効ですし、早い段階で人気のあるコンテンツとそうでないコンテンツがわかり、今後の進め方を決める判断スピードをアップすることができます。
さいごに
『オウンドメディアを無理なく中小企業がスタートする方法』についてお伝えしました。
良いところもあれば辛いところもあります。
しかし、オウンドメディアはこれからのネット全盛の時代、どのような会社や個人事業主であっても必要になるでしょう。一日でも早くスタートした人が、一つでも多くの情報資産を積み上げ、信頼残高を貯蓄することができます。
数年後「あのときやっておいてホントによかった」という声を耳にしたとき、くやしい思いをしなくて良いようにしておきましょう。
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